こちらではミュージカルのあらすじをご紹介します。初めて見る方は、ともするとストーリーを追いかけるのに必死になってしまい、歌を味わう暇がなくなってしまいますので、この程度のあらすじは頭に入れてから見た方が楽しめると思います。

さて、これを踏まえて、新しく原作のコーナー「噂の真相」というページを作りました。ミュージカルでは語られていない原作のストーリーを読みたい方はどうぞ。

ミュージカルのストーリー
プロローグ
「ああ無情」を読んだことがない人でも知っているのが、「パンを盗んで牢獄へ入れられた」 ジャン・バルジャンがさらに銀の食器を盗んでしまう、ということ。 ミュージカルはそこから始まる。
19年の牢獄暮らしから開放されたが、求めていたはずの自由な世界では「仮出獄許可証」のおかげで働いても他の人の半分しかお金をもらえず、宿さえ追い出されてしまい、すっかり心がヒネてしまったバルジャン。一夜の食事と宿を与えてくれた教会から、高価な銀の食器を盗んで逃げ出す。しかし、その罪を問わずにさらに銀の燭台まで持たせてくれた司教様の心に触れ、その心を神に預けることになる。

第1幕
時は流れ、市長となったバルジャン。彼の経営する工場で働くファンティーヌは、 男に逃げられ、1人で子供を養っていた。娘を預けた人に送金するため必死に働いていたが、 子供がいることが知れて工場をクビになり、恋人の思い出のペンダントや自分の髪の毛まで売り、果ては娼婦に身を落としてしまう。 嫌な客といざこざを起こしたファンティーヌに再会するバルジャン。しかし、工場をクビになるきっかけになったケンカをバルジャンはそれと気づかずにその場を去ってしまったため、ファンティーヌに「私がこうなったのはあなたのせい」とつばを吐きかけられる。 バルジャンは自分の行いを悔い、病気でその場に倒れたファンティーヌを病院へ連れて行くように指示し、 死の床にあるファンティーヌに「娘のコゼットは私が育てよう」と誓う。

暴走した馬車の下敷きになった人を助けるため、怪力で馬車を支える市長を見て、刑事ジャベールはある男を思い出す。仮出獄許可証を破り捨てて逃げていたジャン・バルジャンも、怪力の持ち主だったのだ。
しかし、市長の前でジャベールは「奴はもう捕まえました。人違いだと言っているが、すぐに裁かれるでしょう」 と言う。市長になった彼には、待っている人がたくさんいる。 しかし人を身代わりにしてまで生き延びるか、と悩むバルジャン。 神に心を預けた彼は、法廷で「俺が(囚人番号)24653だ」と名乗り出るのだった。

一方娘のコゼットは、預けられたテナルディエ夫妻にいいようにこき使われていた。 安宿を営む夫妻は、自分の娘のエポニーヌは甘やかしていたが、コゼットには辛い仕事をさせていた。 森でコゼットに出会ったバルジャンは、夫妻にお金を渡しコゼットを引き取り、 彼を執拗に追いかけるジャベールから逃れるため、また姿を消す。

さらに10年後、パリ。世の中はくさった政府のおかげで貧乏があふれていた。 落ちぶれて窃盗団になったテナルディエ。大きくなったその娘エポニーヌは、 革命を夢見る貧乏学生のマリウスに恋していた。 しかしそのマリウスは、街で出会ったコゼットにひとめぼれ。エポニーヌに彼女を探してと頼むのだった。 一方仲間を集めて計画を練っていた革命軍のリーダーアンジョルラスは、 民衆の味方だったラマルク将軍の死によって、バリケードを築き、ついに革命を起こそうとしていた。 エポニーヌの案内でコゼットと再会するマリウスは、彼女と生きるか仲間と戦うか、選択を迫られていた。 コゼットを奪われた(と本人は思っている)テナルディエがバルジャン宅に忍び込もうとしたのを、 刑事ジャベールに見つかったと勘違いしたバルジャンは、再びコゼットと旅立つ決意をする。 それを知ったマリウスは、仲間と戦うことを決意するのだった。

第2幕
学生たちが集っているバリケードにマリウスと一緒にいたくて忍び込んだエポニーヌに、マリウスは 「コゼットに手紙を届けて」と残酷な頼みをする。マリウスに求められると何でも与えてしまうエポニーヌは、 旅支度をしているバルジャンに手紙を渡す。バリケードでは、革命をつぶすために乗り込んだジャベールが、 街を仕切っている(つもりの)少年ガブローシュによってスパイであることがばれ、 学生たちに捕らえられる。そこへエポニーヌが戻ってきた。マリウスが駆け寄ると、彼女は体中血だらけだった。 銃撃戦に巻き込まれたエポニーヌは、愛するマリウスの腕の中で、最後だけは幸せに息を引き取る。 一方手紙を読んだバルジャンは、愛する娘コゼットが恋をしていることを知り、 青年マリウスを助けるためにバリケードに志願兵として乗り込む。

捕らわれのジャベールを、バルジャンは逃がしてやる。取り引きなのかと戸惑うジャベールに、 バルジャンは「君は職務を全うしただけだ、恨みなどない」と語り掛ける。
そしてついに戦闘が始まった。しかし、市民たちは革命に立ち上がらなかった。応援はこない。 学生たちは孤独な戦いを強いられる。やがて弾が不足し、外の死体から弾を拾うという話が出ると、 身軽な方がいいと言ってガブローシュがバリケードの外に出て行ってしまう。銃弾に倒れるガブローシュ。 学生たちは狂ったように戦い、死んでいく。

一命を取りとめたバルジャンは、マリウスにも息があることを知り、自らも傷を負っているにもかかわらず、 マリウスをかついで下水道へと逃げ込む。下水道ではテナルディエが死体から金目の物を盗んでいたが、 疲れて倒れ込んだバルジャンを見つけてあわてて消える。
そして、ジャベールとバルジャンの再会。早く病院へ連れて行かないとマリウスは死んでしまう。 バルジャンはジャベールに「またも職務の奴隷か!」と叫ぶ。 法こそすべて、正義は我にありという信念の元に生きてきたジャベールだったが、 悩んだ末バルジャンを見逃してしまうのだった。 そして、今までの自分の信念が揺らいだことに悲観して、彼はセーヌ川に身を投げる。

1人生き残ったマリウスは、死んでいった友人たちへの思いで苦しんでいた。 しかし、コゼットの愛によって立ち直り、ついに2人は結婚する。 バルジャンはコゼットに過去を知られることを恐れて、マリウスには真実を話して姿を消す。 結婚式で、マリウスは男爵に化けて潜り込んだテナルディエに 「バルジャンは人殺しだ、下水道で死体を運んでいた」と聞く。

エピローグ
マリウスは、自分がバルジャンに助けられたことを知り、コゼットとともにバルジャンの元へ急ぐ。 しかしそのバルジャンは、すでに死の床についていた。コゼットとマリウスに見守られ、ファンティーヌ、 エポニーヌとともに、彼は神のもとへと旅立っていく・・・。


なぜ何度も、劇場へ足を運びたくなるのか。それは、生の舞台 でなければ味わえない感動があるからです。どんなに優れた録音技術、録画技術をもってしても、 これだけは絶対に味わえない、生の感動

あなたも、ぜひ、鳥肌が立つくらい素晴らしいアンサンブルを生で聞きに、 劇場へ足を運んでみてください。


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